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カバラ数秘術のBlog

静岡在住カウンセラーが、カバラ数秘術と心のケアについて、気ままに書いています。 ちなみにライフパスは33です。

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霊界旅行(丹波哲郎著)から ー 事故犠牲者の死後の様子(5)

日本のスウェーデンボルグと丹波さんが遺してくれた死後の世界(1)) はじめに&出版までのいきさつ
霊界旅行(丹波哲郎著)から ー 事故犠牲者の死後の様子(2) 戸田武と池田ふみの生涯
霊界旅行(丹波哲郎著)から ー 事故犠牲者の死後の様子(3) 河瀬義行、富井つや、五十嵐博、野村時枝の生涯
霊界旅行(丹波哲郎著)から ー 事故犠牲者の死後の様子(4) 詐欺師、ヤクザの男、高校生カップルの生涯
霊界旅行(丹波哲郎著)から ー 事故犠牲者の死後の様子(6) 低級界に向かう人々の変化の様子
霊界旅行(丹波哲郎著)から ー 事故犠牲者の死後の様子(7) 地獄のような場所へ


お借りしている本です。
続 丹波哲郎の死者の書 ― 霊界旅行  中央アート出版


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バスの犠牲者のうち、24名が、(中間境)の、白い大きなテントのような場所に集まり、霊的教育や、全員の生涯が、霊界の他の霊たちも含め、全員の目の前でスクリーンに映し出される "儀式" が行われた(死後、霊界までの移動のプロセスをご存じないかたは、前の記事 をご覧になってみてください)



その後、全員が異なる道を歩み始めていた。

一家四人で犠牲になった家族は自分たちで家を建て、一緒に住み始めたし、空き家を見つけて住み始めたり、儀式が行われた場所に留まる者もいた。

日常の行動となると、まさに各人各様だった。
「自分の過去を映し出すスクリーン」を見せられて以来、まるで何かのタガが外れでもしたように、誰もが奔放な行動をし始めた。


唯一、24人の共通の行動というのが、大きなドーム式の運動場のような部屋で、霊人たちとディスカッションをすることだった。

何百人、何千人という精霊たちに混じって、車座になり、中央に向き合って座っている霊人たちとディスカッションを行うのである。
見たところそれは、禅道場やある種の修験場にそっくりだった。

これは日課として義務付けられたものではななかった。
が、誰一人このセレモニーを怠けるどころか、飢えたものが食べ物を切望するように、みんながこの時を待ちわびているのは私の目にも明らかだった。
(このディスカッションでは、霊的真理のルールや知識を教えていたようです)

こうしたディスカッションが続くうちに、24人の中から、次第に脱落する人が現れた。

まずは詐欺師の男、戸田、やくざの男ともう一人の男性が姿を見せなくなり、次いで五十嵐、河瀬、女性が脱落していった。

しかし霊人たちは気にも留めていなかった。
この場合に限らず、彼らは霊一人ひとりの行動に対して、冷淡とも見えるほど、いっさい干渉しなかった。
強制することはもちろん一度もなかったし、霊たちの方から求めない限り、何の助言もしなかった。

犠牲者の中の、佐多千鶴子は三角関係の相手二人と一緒に事故に遭った。
そのバスに、本命の荒井と、親が決めた婚約者の松木が乗っていたのである。

千鶴子は松木のことを嫌がっていた。
彼の人間性以前に拒絶反応を起こしていた。
でもそれは、親からの圧力に逆らおうとして、そうなったに過ぎなかった。
なのでよけいに荒井が好ましく見えた。

ところが、もはや親の圧力からは解放されている。
晴れて自由の身だ。
となると自分は本当に荒井を愛しているのかがわからなくなってしまった。

そうして中間境での時間が経つにつれ、荒井が、不安におびえる千鶴子のことよりも、自分の身を守ることを優先するようなしぐさを見せた。
そしてそんな千鶴子を気遣ってくれたのはむしろ、松木のほうだった。
それで千鶴子の気持ちは少し、婚約者だった松木の方に傾いたのである。

そして二人の気持ちをもてあそんだ罰のように、二人と一緒に生活を共にし、「こんな奇妙な生活がいったいいつまで続くのだろう?」と恐ろしくなりながらもどうすることもできないでいた。

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(日付が変わって)

25名の様子は目に見えて変わってきた。
人間界で身に着けたさまざまな衣を脱ぎ捨てていくにしたがって、その人間生来の、"本性" がむき出しになっていくのが手に取るようにわかってくる。

とりわけ、そのうちの何人かの男たちの狂乱ぶりは目に余るようだった。
身体の奥深くに潜んでいた凶暴性、残虐性といった膿が、一挙に噴き出した感じである。

彼らは人間の皮をかぶった野獣だった。
あたりかまわず吠え立て、ひっかきまわし、誰彼構わずケンカをふっかけては、容赦ないほど痛めつける。

中でも激しく対立してたのが、ヤクザと戸田である。

二人は悪仲間のボスになり、手下を従えてのさばっていた。
そしてしたい放題のことをしていたのである。

人間界では警察や刑務所が歯止めになるが、この世界にはそんなものがない。
霊人たちは善良な霊たちが巻きこまれそうになるとさっと救いの手を差し伸べたが、悪霊たちを罰することはしなかった。

遠巻きにしてじっと見据えているだけだった。
それは、やがて彼らがどんな道をたどるのかを知っていたからである。

この2つのグループを行き来して、ずるがしこく立ち回ろうとしてたのが、詐欺師の男だった。
ヤクザのところに行っては、猫のように身を摺り寄せてはいやらしいほど媚びを売り、今度は戸田のところにノコノコ出かけて行っては、同じように『私にお手伝いさせてください』と、ぬけぬけ言い放つ。

ごろつき共は彼の姿を見ると嘲笑し、もてあそんだが、詐欺師はへらへらと笑って見せるだけで、一向にこたえた様子を見せなかった。

ヤクザも戸田も詐欺師が二股をかけているのを見抜いていたが、歯の浮くような追従でも悪い気はしないらしく、寛大に出入りさせていた。

悪霊共の格好の餌食にされたのが、酒乱の河瀬だった。
酔っぱらって、他人を愚弄して、ケンカをふっかけるのが、彼の最高の快楽だった。
面白くない時は、他人の家を壊したり、火をつけて、うさを晴らす。

そんなところにたまたまヤクザや戸田のグループに出くわした時は悲惨だった。
よってたかって袋叩きに遭い、完璧なきまでに叩きのめされた。
そんな時の河瀬は打って変わって沈み込み、子供のようにとめどもなく泣き続けた。

それでもしばらくするとすぐにまたケロリとし、からみ始めケンカをふっかけては、また叩きのめされる、という連続だった。

良くも悪くも本性がむき出しになるのが精霊界(※幽界、中間境)である以上、こうしたことは当たり前なのかもしれない。


日に見えて変化したのが、県職員をしていた享年32歳の、木下由紀だった。
由紀は、不倫相手の男に金を出させて飲み屋をやっている姉を死ぬほど嫌っていた。
姉のせいで自分は結婚できないとすら思っていた。
由紀の、人間的に未熟さによるエゴイズムが、そう思わせていたのである。
彼女は容姿は悪くなかったが、自分の方からかたくなに男性を拒絶した。
周囲の目には異常にすら映った。
やがて男嫌いという烙印を押され、誰も近づかなくなってしまったのである。

ところが、この世界に来ると、由紀の男に対する態度は、あきれ返るほど一変してしまった。

すべては由紀の見栄から出ていた。

姉が飲み屋を、しかも自力でなくパトロンに助けてもらっていて、そして自分はそんな姉とは全く別なのだと世間に示すため、姉と正反対の行為、つまり男嫌いを強引に押し通すことが大切だったこと。
すなわち、由紀は、自分を高く売るためには、姉をうとんじて、当面男嫌いを看板にすることが最も賢明だと判断していたのだ。

その反動で、由紀は、人間界でのうっぷんを晴らすかのように、男とみると誰彼構わず近づいては、媚態をさらしはじめたのだった。
まるで色情狂のようだった。
そして、根っからの娼婦のようでもあった。
朝から晩まで、男を誘っては、奔放な性行為にふけって、留まることをしらなかった。

そしてその男たちの中でもっとも頻繁に由紀の元に通ったのが、五十嵐である。

由紀は色情狂という本性をいっそうむき出しにして、いつのまにか戸田のグループに仲間入りし、誰彼の見境なしだった。

私は、それが彼女の本性だったとはいえ、あまりの変貌ぶりに、二の句がつげない思いだった。
そして、男たち女たちの性の深淵さ、業の深さに暗澹たる思いを抱かざるを得なかったのである。

一方で、呉服商の富井つやは亡夫と再会し、二人で幸せに暮らしていた。
洋裁業の池田ふみも、父親と再会して、一緒に暮らし、親孝行のやり直しを心行くまで行うことができたのである。


(続く)