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カバラ数秘術のBlog

静岡在住カウンセラーが、カバラ数秘術と心のケアについて、気ままに書いています。 ちなみにライフパスは33です。

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世間や人に迷惑をかける人物が生まれる理由?(2)


前回の続きです。

世間や人に迷惑をかける人物が生まれる理由?(1) - カバラ数秘術のBlog

ということで、ストーキングも含め、なぜこうした異常犯罪が増えるのか。
先日読んでいた本の中で、長年治療に当たってこられた専門家がその背景や理由をわかりやすく解説してくださってる箇所がありましたので、お借りしてみたいと思います。

お子さんがいらっしゃるかたには特に、最後まで、読んでいただきたいです。

何であっても、事件の被害者・加害者にさせないように。
一時のことで、自分の過去に二度と消せない傷をつけ、自ら未来や人生を棒に振って台無しにしてしまうことがないように。


このコラムは「ストーキング」について書かれていますが、けれどその内容は、周囲や社会に(本人に悪気がなくても)迷惑をかけたり罪を犯してしまう人たちにも当てはまるものと感じました。

今の時代は、誰もが突然ストーカーや犯罪者になってしまう異常事態になっています。
少しでも早くそのことに気づいて"折り返さなければ"、今後ますます暮らしにくい社会になる(生きづらくなる)だろうと思います。

お借りしているのはこちらの本です。

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ストーカーを生み出さない社会づくり

乳幼児・児童・思春期精神科医  渡辺久子


【ストーカーは、乳幼児期の心の分化がうまくいかなかった人】

ストーカーは、執念深くある特定の人に捕らわれ、追い回してしまう人のことです。

 「異常なしつこさで、特定の異性や有名人などをつけ回し、苦痛を与える」
 「忍び寄る・そっと跡をつける等」

と記載してあります。
猟奇的な性質を帯びた行動ともいえます。

私たちの心には、意識と無意識の二つの異なる領域があります。
無意識の領域に属するエネルギーは、生産的に働く場合と破壊的に働く場合があります。
生産的に働くエネルギーは、例えば音楽やその他の文化的活動に注がれ、妥協を排し素晴らしい作品に結実し、自己実現により自分も相手も満足して楽しみ、互いに響き合い報われることになります。

(抜粋)
これが健康的な無意識のエネルギーで、フロイトがリピドーと呼んだ
タナトスはその対極で、破壊に向かうエネルギー
リピドーを押しつぶし、裏切り、脅かされて起こる、死に向かう本能をいう

心地良い、楽しい経験が健やかな脳と心を導く
不快なことは、泣いて訴え、誰かになだめてもらいながら乗り越えていくことを覚える
心の発達にはこの不快を取り除いてくれる人との緊密な関係が重要

愛着理論・・子供は不快を取り除いてくれる人に対して愛着を形成する
愛着対象の助けを借りながら、子供は快と不快を分化させ、不快への対処力を身に着けてゆく
ストーカーは、記憶にも上らない乳幼児期に、この快と不快の分化がうまく行かなかった人でもあるといえる


ナチスに追われてロンドンに亡命した精神分析家、メラニー・クラインは、その対象関係論において、誕生直後の心は "白か黒かの感じ方" が中心の「分裂ポジション」にあるが、やがて3歳ごろにかけて、グレーの感じ方が中心の「抑うつポジション」に移行することを明らかにしました。

どういうことかというと、子どもは2歳くらいを境に、それまでは要求が邪魔されると真っ暗な絶望に陥ってしまう状態から、3歳を過ぎると、望みがかなわなくても折り合いをつけられるようになる段階に発達する のです。

例えば、初めはおっぱいが欲しい時に「だめよ」と止められ、まっ黒な気持ちになっていた子がこんなことでも赤ちゃんにはショックなんですね、次第に「いつもいいというお母さんではない、お母さんもグレーな時もブラックな時もあるんだ」と現実を受け入れられるようになっていくのです。
白黒の世界から、白黒を取り混ぜて受け入れ、グレーもあるという世界に入る時、人はほどよく我慢して現実に適応していけるようになるというのです。

でも、ストー力ーは、自と黒を取り混ぜることのできる段階に入れない面があり、真っ白でないと受け入れられないのです。
思い通りの真っ白でない時、グレーやブラックでは真っ暗な世界に陥ってしまい、破壊的なエネルギーが暴走してしまうのです。


【どうして、心の分化がうまくいかないのか】

●安定型の愛着―不安定型の愛着              

子どもは、自分を守ってくれる人との愛着関係に根をおろして発達します。
おっぱいが欲しい時にはおっぱいをもらえる、遊んでほしいとか、寒いと訴えた時に、相手をしてもらったりなだめてもらえたりすると、子どもはお母さんをいい人だと信頼し、安定型愛着を形成して、健やかに発達していくことができます。

ところが現実には子どもの求めに適切に応えたり、不安や辛さをうまくなだめることのできない場合があり、不安定型愛着も形成されます。
具体的には次のような場合があります。


●不安定な育てられ方

子どもからみて、ある時は要求に応えてくれるのに、ある時は無視するという風に、愛着対象に一貫性がない場合です。
子どもには全体として守られていない、納得できない思いが残ります。
広くサイコパス、性格異常といわれる人たちの背景には、しばしばこのような乳幼児期の一貫性のない不安定な育てられ方が認められます。

親が機嫌のいい時は滅茶苦茶にかわいがられるが、機嫌の悪い時には容赦なく切り捨てられ、親のむら気で行き当たりばったりの対応をされます。
子どもはこの世の何を信頼していいか分からなくなり、安定した人間像や自己像が育たなくなります。

するとその子は生きるエネルギーの大半を相手の機嫌を読み取ることに費やすことになる結果、「お利口さん」を期待するお稽古教室などでは問題なく良い子を演じることができても、自らの快・不快をコントロールする自我の調整力が育たないのです。

子どもの自我機能を手軽に育ててくれる塾などないので、親に代わり本気で自分に向き合う誰かとの出会いがなければ、その子は心の歪みを修整する機会のないまま成長します。
彼らは、葛藤的で未熟な心を隠し持ちながら大人になるのです。

思い通りにならないと、かーっとなってかんしゃくを起こし、ささいなことで見捨てられたとおびえて真っ暗な世界に落ち込んでしまいます。
そして相手を攻撃し、自分の破壊的なエネルギーを止められなくなるのです。


●お母さんのストレスや産後うつ

お母さんがストレスを受けたり産後うつに陥るケースでは、わが子をかわいく思う気持ちが湧いてこなくなりがちです。
また赤ちゃんは、間主観性という相手の意図や情動を見抜く力を生まれもっているので、そんな風なお母さんの気持ちを直感的に見抜いてしまいます。
大好きなお母さんが自分を拒否していることを悟ってしまうのです。

ストレスを受けている時のお母さんは、意識し努力しても、わが子への本音に愛情以外の攻撃的な気持ちが混入しがちです。
お母さんからそんな愛情と攻撃の混在した感情を受け取ると、その子は愛憎が融合したまま分化せずに生きていくリスクが高まります。
例えば、いじわると愛情の区別のない行動をとり、好きな相手を平気でいたぶるような二面性のある行動をとってしまいます。
身近な周囲に子どもをしっかりと受け止めてくれる健やかな大人がいると、子どもは歪むことなく成長することもできます。

快と不快が分化していないことは、言い換えれば、不快にほどよく祈り合いをつける力が発達していかないことを意味します。 白黒の世界を脱皮するには、メラニー・クラインが明らかにしたように、ほどよく耐えられる範囲の嫌なことを体験し、その都度お母さんに「よく我慢したね」と抱きしめ誉めてもらうことが大切です。

そのように着実に、現実の辛さを母子で折り合いをつけていく練習を積み重ね、生き延びて行くことが大事です。
子どもの体験が全体としてプラスマイナスゼロになるかちょっといいものが残るくらいのほどよい育児は、ほとんどの人たちがやっていることですが、不安定型の愛着ではそれが進まないのです。


●親が不安に捕らわれて子どもにしつこい恨みの種をまく

親子関係の中でストーキングに近い、しつこい負の情動、つまり怒りや恨みの種をまかれてしまう子どももいます。
赤ちゃんの時期を過ぎた、1歳3か月~2歳9か月くらいまでの期間は、マーラーの分離個体化理論における「再接近期」という発達期にあたります。 
これは自己主張と依存の入り混じった微妙で葛藤的な時期になります。

どの子も頑固に「僕は絶対にこれが欲しい」と泣きわめき自己主張します。
親は自然に「負けるが勝ち」のスタンスをとりながら、その時期を乗り越えていきます。 親も「子ども自身がやりたいのだったら、やらせてみよう。せいぜいこの部屋の中だから安全を確保して見守ろう」と、わが子の自己主張を達観できるように成長させられます。
こうして、子どもが親のスケールを大きくし、親も「この子は大丈夫」という自信を持ち、親子の信頼関係が生まれて、子育てが展開します。
多くの子どもたちは、自分が愛されている実感を土台に、親とぶつかりながら不快を乗り越える力をつけていく。
やがて3歳頃には、自分を守ってくれる母親像、父親像を心の中に確立するのです。

一般に親は、この時期のわが子を愛情で受け止めるものですが、中にはそれができない人もいます。それは不安にかられている人で、子どものむき出しの感情や自己主張を受け止めることができないのです。おそらく幼い頃に本音を出すと抑圧された人でしょう。

また、親自身が幼い頃に自分を虐待した実父の姿を子どもに重ねたり、「この子は私を脅かしている、なめている」と誤解することもあります。

そのような気の毒な親は、普通の子供の自己主張を受けとめる代わりに、過剰に冷たくおびえた反応をしてしまいがちです。 すると子どもは、親の厳しい瞳の奥の暗い情動に悪意を感じてしまい、親への愛情が憎しみに変換されてしまうのです。

このような世代間の葛藤の伝達を通じて、ストーキングの素地となるしつこさや怒り、恨みの感情の種がまかれるのです。


【乳幼児期の関係性とそれを囲む緩衝の重要さ】

このように、人格の芯の部分も、その歪みも、乳幼児期に形作られます。
人間の赤ちゃんは、生まれたときには脳の回路はまだ半分もできておらず、残りの半分は生まれてからの養育関係のなかで、後天的に発達し形成されます。
ですから人が健やかに育っには、乳幼児期の赤ちゃんへの親のかかわりを良いものにするために、親子を周囲から守り、親子関係の衝突を和らげてくれるような緩衝(バッファー)が非常に重要です。


育児は大変なことで、昔の人がおおらかに子育てができたのは、密室の育児ではなかったからでしょう。
お母さんが不安になる時、「子どもには普通のこと。心配いらないよ」と安心させてくれたり、「お母さんに怒られて、この子は心臓がばくばくしているよ」などと、子どもの気持ちを代弁したり、子どもを本気でかわいがってくれる人がまわりにいたからでしょう。
昔は必ずそばに誰かがいて緩衝剤になっていたのに、今はマンションの密室には誰もいません。
現代の孤立した育児は、乳幼児期の発達に由来するリスクを増幅させています。


【ストーキング行為はタナトス(死に向かうエネルギー)のあらわれ】

ストーキングは自己破壊的な性質をもつ嗜癖です。

ストーキングによって相手を攻撃することはストーカーにとり「快」な体験となり、興奮し熱中します。 しかし、心の芯のところには喜びがなく、ストーキングをしていない時にはうつになり、相手から切り離され対象を失ってしまったときには、すごく落ち込みます。

つまり、ストーカーは快楽を追求してストーキングをしかけ、興奮し、エスカレートさせていくけれど、でもそれは生産的な関係ではなく、相手や周囲と響き合うような結実をみることがない ものなのです。

けれど、やめれば深い抑うつ感、つまり真っ暗な絶望が待ち受けているので、やめることができません。
仮に相手の生命を奪っても達成感はなく、残るは空虚な自分というくらい病んでしまっています。


ストーカー殺人事件では、被害者の命を奪った後に加害者が自殺するケースが目立ちます。
タナトスと呼ばれる死に向かうエネルギーは、しばしば世界制覇などの誇大的な自己実現の形をとります。自分よりも大きな運命や、自分を生み出した母親への一種の逆転劇です。

運命が自分をこんな風に不幸にしたのであれば、運命に報復してやるといわんばかりに支配欲を発揮するのです。
執着する相手の生命は「世界」や「運命」の象徴です。
相手の未来を自分の手で奪うことにより、あたかも世界を制覇し、運命に復讐できたような錯覚に酔うのです。
生殺与奪の権を自分が握り、相手が離れて自由になることを阻止しようとする万能的な支配です。

(犯行後の)自死はいわばその完結した姿でしょう。
ストーカー殺人は、自分が神や運命を超える力により相手を丈配できたと思う瞬間にのみ、一抹の幸せを感じるという、倒錯したゆがんだ自己実現なのです。

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つづきます。


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