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カバラ数秘術のBlog

静岡在住カウンセラーが、カバラ数秘術と心のケアについて、気ままに書いています。 ちなみにライフパスは33です。

● 当ブログコンテンツの(出典先を明記しないままの)無断転用・引用は固くお断りいたします ●


世間や人に迷惑をかける人物が生まれる理由?(3)


続きです(最終回)。

世間や人に迷惑をかける人物が生まれる理由?(1) - カバラ数秘術のBlog

世間や人に迷惑をかける人物が生まれる理由?(2) - カバラ数秘術のBlog


繰り返しになりますが、

  何であっても、事件の被害者・加害者にさせないように、ならないように。
  一時のことで、自分の過去に二度と消せない傷をつけ、自ら未来や人生を棒に振って台無しに
  してしまうことがないように。

  みんなが安心して暮らせる平和な社会になってゆきますように。


こちらの本からお借りしています。


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【破壊的な執念深さはいつ出現するか】

ストーカー特有の執念深さは、いつはっきり出てくるのでしょうか?
難しい質問ですが、身体記憶(認識しにくいが身体にやきついている過去の体験記憶)は、無意識の記憶で、時間の経過と共に過ぎ去ることはなく、長い時間を超えて、生々しくよみがえり、その人を提えてしまいます。

こうしたシチュエーションで、攻撃的な執念深さが現れる一つの危ない時期は思春期と思います。
思春期の17歳を過ぎた頃が挙げられます。

思春期は生物学的に、脳が急激に成長し、高次機能の発現や人格の再構築の起きる時期です。
同時に偏執的な性格傾向も露呈しやすい時期です。
例えば、小学生の頃のいじめのトラウマが心の奥でうずき続け、十二歳頃にはまだ漠然としていたのが、十七歳前後にはっきりとした執念に結晶化された例などがあります。
成長の過程でいろいろな経験が身体記憶として刻みこまれますが、現在の生活環境が自分にしっくりしていないと、その苦しさの中であがくうちに、今と昔の苦しさが次々と想起されたりします。

その一方で、乳幼児期に次いで、治療の効果があるのもまた、思春期です。


【加害者への治療】

人間は何度でもやり直すことができますが、精神医学的な治療は乳幼児期と思春期にやりやすく、そこを外すとあとはとても長い時間がかかります。

そこで乳幼児期にうまくいかなかった場合、思春期に良い治療的な機会を作れることが大切です。
治療の場は必ずしも精神科病棟である必要はなく、家庭や地域社会の中で、自然にさり気なく治していく方法もあります。
病的な症状や行動を心の膿とみなし、人格の芯のエネルギーを溶岩にたとえれば、溶岩は火山から流れてやがて冷えて石になっていきます。
人間に当てはめると、年をとるほど固い石になるといえます。

人の心は3歳前は溶岩の時期にあたります。
溶岩の熱さはお母さんを脅かし、火傷させてしまうほどです。
密室の育児は、赤ちゃんの溶石のような生命のパワーが生身のお母さん、お父さんを直撃します。

そこで、心の歪みを治すために私自身が開発したのは、お父さんお母さんを決して責めずに支えぬく「甘え直し療法」別名「再愛着療法」です。
もう一度、子どもとお母さんお父さんとの出会いなおしを促していく試みです。

親子がかみ合っていくプロセスの途上で、子どもが寂しさや怒りを親にぶつける時期があります。
子どもからすさまじい膿が出る。 その時、親が受けとめられるように支えます。

わが子の押し殺されていた負の本音は、親自身の自分の実親への抑圧された葛藤を誘発します。
その結果、親から吹き出そうになる膿を、親がわが子にぶつけずに整理できるよう、私たちが受け止めるのです。

親自身の生いたちの寂しさや怒りがたち現れてくる時、親自身の心の芯の苦しみや寂しさを、治療者に理解してもらえると、親はすっきりしていきます。
すると親は、子どもの心を受けとめていける自分に成長し直し、子どもは親への信頼を抱き直すのです。
私は過去四十年間、親子の関係をこのように育て直す治療をしてきました。

こういう治療は実は10年がかり、20年がかりです。
5歳で来れば5年間、15歳で来れば15年間はやりましょうと話し合います。
残念ながら手遅れの子もいます。
親に自信を持たせてずっとフォローアップしていくと、あっという間に40年位は経ってしまいます。
心の発達をやり直すのは、それほど時間がかかります。

関係者・治療者の覚悟と努力、技量・経験が必要とされるのです。

ですから、加害者の治療は死ぬまで相手と付き合うつもりで、その人をわが子と同じような気持ちで育て直す覚悟が必要かもしれません。
治療者にも必ず別れがあり、相手はその時に捨てられると感じがちです。

一年、二年の単位では真の変化をもたらす治療はできないでしょう。
欧米の精神分析家では、毎日決められた時間に一時間ずつ、十年、二十年、三十年と、ひとりの患者の治療を続けています。


【治療の外枠ー正義の実現と専門家の人道的関与】

歪んだ心を治すための治療は、病院内で親子の関係を扱うだけでは進みません。
治療の動機と目標が設定できるためには、治療者と関係者の努力と並行して、その外側、つまり社会で、加害によって歪められた正義を回復する枠組み作りが必要なのです。

つまり、社会全体の姿勢として、ストーキングやDVや小児虐待などが見逃されたり軽視されず、加害行為がきちんと罰せられ、社会に正義が実施されることが必要です。

そのようにストーキングは、罰せられるべき加害行為であると社会的に認識されて初めて、加害者本人が治すべきものと自覚できるのです。
またトラウマを負った被害者が再び被害に遭うことなく社会で自由に生きる希望をもち、回復に努めることができるのです。

日本でも、警察が加害者を治療に結びつける取り組みが始まるようです(※2014年刊。 ちなみに現在、より厳罰化された規制法の改定が進められています)
加害者の改善・回復を本気で目指すのであれば、治療の一端としてストーキングに対する重い処罰を科すことが有効です。
その上で、処罰後、治療が有効な人とそうでない人を精神医学の専門家が人道的に判定していくことが必要です。

ただし、日本ではストーカーの治療に取り組める人材をこれから養成していかなければならない段階にあることは、先に述べた通りです。


【3歳までの育ちに重点を】

このように加害者の真の治療には非常に長い時間と労力がかかります。
それは、問題の根が人生初期の経験にあるからです。

それらの経験は時間を経て、さらに負の経験が積もるほど歪みの修整は難しくなります。
別の側面から見れば、人生初期の数年間に受ける養育の質を保障することにより、加害行為の根を絶つことができると言えます。
つまり、3歳になるまでに乳幼児が、安定した愛着形成がなされるように育てられるよう、親子の信頼関係を社会が支援する方が、はるかに安く確実な成果を上げることができます。
なによりストーカーになりその被害に若しむ不幸な人生を生み出さずに済みます。

乳幼児精神保健に基づき健やかな大人を生み出すことにいち早く取り組んだのがフランスです。

1989年に私がフランスの議会で開催された「働く女性と育児の国際シンポジウム」に招かれた時、フランスの精神科医で国際精神分析協会会長レボヴィシが、国会議長ファビウスに「すべての国民の人生初期の三年間を保障するために、三年間完全に女性に有給休暇を与えてください」と意見を述べました。
ファビウス議長が「そんなことは無理です、予算がありません」と答えた時、すかさずレボヴィシはこう答えたのです。
「乳幼児期からの精神障害の予防活動により、フランスの精神障害と犯罪被害のための国家予算が削減されるはずだ」と。

その後の20年間、フランスは徹底して乳幼児精神保健を社会に普及させ続けました。
その結果現在赤ちゃんにやさしい社会を築くに至っています。
決してまだ完ぺきではないけれど、スラム街の難民など底辺で育つ子どもへの施策は手厚くなっています。


心の情動の核の部分で、執念深さなどが作られます。
それは人生早期の出来事であることが近年明らかにされています。
その意味でも日本は、親子を囲む緩衝システムを再構築していかないと、このままではハイリスクの人間が増えていく懸念があります。


都会では、保育園や子ども家庭支援センターの役割が今後ますます大事になります。
実家の支援のない核家族やひとり親家族が中心の欧州の動向は、社会や国が実家代わりになる方向です。
国費で子どもの発達を学んだ人々が、保育者や児童相談所の職員、家庭裁判所の調査官、子どもの弁護士、教育者になり、子どもを血のつながりだけでなく地面のつながりで育て、ケアしていくことが社会政策として進められています。

日本はまだ地方では古き良き大家族が残っていますが、都会の若者は、実家の援助なしで家庭作りを進めています。
日本も三歳までの健やかな育ちを保障する機運を国全体で高め、その実践のために国の予算と労力を集中的に充てることが必要です。


ストーカーやDVの加害者らが生み出す問題は、以上のようにとても複雑です。

ストーカーを生み出さない社会をめざし、家族機能不全がどんどん広がる現代の日本で、乳幼児期からの健やかな心の育ちを支える、多職種の連携によるシステムの再構築が求められています。



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